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香港人の旅券はいろいろあります。 [香港 出入国/ビザ]

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香港返還以前の香港人の旅券は宗主国英国発行の旅券。
旅券の表紙には英国の国章が型押しで入っておりまして、
BDTC=British Dependent Territories Citizenという名前でした。


今は、中国領土としての香港(HKSAR)の旅券のみ持つ人もいれば、
旅行先の国によって旅券を使い分けるという人もいます。
日本人から見ると旅券が複数あるというのは不思議な状態ですね。

1997年の香港返還により、
BDTC=British Dependent Territories Citizen旅券が無効となり、
BNO=British National Overseas旅券が発行される事になりました。
香港は文化大革命の際に中国本土から逃げてきた人達で
成立している街といっても過言ではないので、
「香港はどうなる?」「文化大革命が再発しない保障はない!」とばかりに
カナダやオーストラリアなどへ脱出した人々も数多くいた中、
宗主国である英国が香港返還後も香港に影響力を残そう、
でも、香港人に英国に移住されたら困るという政治的背景で生じた妥協策が
このBNO旅券に現れていると思うのは穿った見方でしょうか?
何故かと言うとBNO旅券にはBritishなんて名称がついていますが、
この旅券を持っていても、英国に無条件で移住できるわけではないし、
保障されている権利も正規の英国旅券とは全く違うからです。

それでも、この旅券は返還前の香港人には魅力的に映ったようで
旅券申請窓口に大挙して押し寄せる香港市民の姿がニュース映像で
日本や米国でも報道されていた覚えがあります。
このBNO旅券、期限の1997年6月30日の段階で
香港市民であれば誰でも取得が可能でした。
一旦取得すれば、一生更新できるシステムという触れ込みも
パニック状態だった香港人に安心感を与えた事でしょう。
BNO旅券を持っている親から生まれた子供でも、
申請期限以降に生まれているので申請は不可。
従って、現在では取得する事は出来ません。

大半の香港人はBNO旅券とHKSAR旅券の2種類を持っていますし、
他にもカナダやオーストラリアなどの旅券を持っている人も多くいます。
香港人の未成年はHKSAR旅券のみという人も珍しくありません。
もちろん、大陸から来ている移民は中国の旅券だけ。
これら複数の旅券が「香港人」の中で流通しているのです。

上記の写真は左から台湾、香港、中国の旅券です。
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コメント 1

香港人

期限の1997年6月30日の段階で
香港市民であれば誰でも取得が可能でした

と書いてありますが、本当は違います。
1997年6月30日までに香港で生まれた香港人が取得が可能という事です。

今はおよそ350万人の香港人がBNO持っているそうです。


by 香港人 (2009-12-02 03:52) 

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